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2007/07/12 (Thu) 無師独悟  日蓮・2

 
『日蓮 その行動と思想』 高木豊 著 太田出版

読ませていただきました。
絶版になっていたのですが、図書館を探したらありました。

名著と言われるだけあって、丁寧に、史実に誠実に日蓮像を追いかけていて、
とても勉強にもなりました。
惹きこまれましたね。
末木さんの本よりも、こっちの方が全然読み応えはありました。

日蓮を知りたければ、この本を読んだほうがいいと思います。

 
法華経至上主義にいたる過程、細かな人間関係、歴史的背景、仏教史、
などなど繊細に書いてくださっていて、
読み進めていくと、日蓮さんにいつのまにか共感しているというか、
より深く理解できたと思います。
日蓮さんも、やっぱり「ヒト」だったんだなぁって、安心もしちゃいました。


「無師独悟」
この言葉が、妙に気に入ってしまった散歩虫。
若き日、比叡山留学の頃の日蓮さん。
当時、西の都が文化の最先端で、東出身の日蓮さんは田舎言葉を克服しなければいけなかったのです。
また、身分の違い、地方出身者の活躍を妨げる門閥重視の風潮の中で、
日蓮さんは自閉的に書物を読み倒し、終生、師を持たずひとり思索を重ねていった。
この「無師独悟」という言葉が、とっても味わい深かったです。


また、災害が続く中で、日蓮さん自身も被害者・罹災者として、災害を経験していて、
このことが立正安国論へのモチベーションになっていたのであろうとのことでした。
ともに罹災した人々との連帯感、ともに苦しむことによってつながる、人と人。
それがのちに、救済のための受苦という考え方に到達したのだろうと。


なるほどなぁーと思ったのが、おなじみの文字マンダラについて。
なぜ図絵マンダラや仏像ではなかったのか。
それは、図絵や仏像は専門の仏師に依頼をしなければならなくて、
庶民にとっては高価なものだったこと。
そして、日蓮さんが直筆で授与したマンダラを、信徒が本尊とすることによって、
信徒は日蓮を自己の指導者として意識でき、師弟関係の表象にもなる、とのことでした。
これが、のちのち、(っていうか現代にもつながる)日蓮教団における貫首の本尊授与権のはじまりだったようです。


現代でも問題になったりする「地獄思想」についても、解説してくださっていました。
「地獄」という思想は、仏教に先立つバラモン教の文献に先駆的な形が現れ
→初期仏典「業報思想」の中に包摂される。
→正法念処経・倶舎論・大智度論などの仏典に、八熱・八寒・孤独の三種の地獄として整理される。
→日本において、源信の「往生要集」(985年)に八大地獄として記される。
→「往生要集」の普及。→浄土教の興隆。
…と、こんな風に広まったそうです。

日蓮在世当時、「末法思想の流行」が、思想形成の背景にあったと、勉強会でも解説してくださいましたが、
思想界(宗教界)における流行も、歴史の流れを作る重要なポイントなんでしょうね。

(末法思想の流行に乗った人=日蓮・親鸞
            乗らなかった人=道元)



他にもたくさん思ったことはあったのですが、この辺で。

読み進めていくと、自分のルーツを知っていくようで、不思議な感じもしました。
そして、読後、なんだか日蓮さんに関する記憶が、整理し直されてスッキリと頭に納まったようでした。
そういう意味でも、読んで良かったです。


ヒトって、いつの時代も、そんなに大差ないようです。
災害や外圧に苦しみ、不安を抱えて、なんとか心の平安を得たいと信仰を求める。
正しいものを競い、それが行き過ぎると諍いに発展してしまう。
親子や夫婦や師弟など、周囲の人間関係に悩み、権力からの圧力に悩み、生死に悩む。

高木豊さんの描く日蓮さんは、時代に翻弄されながら、
確かに「ヒト」として生を全うしたようでした。



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Author:散歩虫
議論ある仏教系(日蓮系)宗教団体を脱会した、2世のその後。
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